授業

2015年12月20日 (日)

美術遺産演習が終わりました

11月14日、15日に集中講義「美術遺産演習」のため、

関西の美術館や博物館を訪れました。

■ 大阪大学総合学術博物館  
企画展「金銅仏きらきらしーいにしえの技にせまるー」
金銅仏の展示と、その技法や材料の科学的分析の成果を
見学させていただきました。普段、仏像はその様式や形式という視点から
見ていますが、こちらでは成分分析などの
科学的な方面から仏像をながめることができ、新鮮な感覚を覚えました。

■ 大阪市立東洋陶磁美術館
学芸員の小林仁先生より、
館や収蔵コレクション形成の歴史の説明していただきました。
さらに、開催されていた「新発見の高麗青磁ー韓国水中考古学成果展」の
みどころも解説していただきました。
水中考古学の研究成果を踏まえた展示では、
制作された青磁の運搬状況など、かつて人々が青磁を手にするまでの
流通の様子も垣間見ることができました。


■ 白鶴美術館

学芸員の田林啓先生に
展示されている収蔵コレクション一つ一つを丁寧に解説をしていただきました。
青銅器の文様の中にひそかに組み込まれた動物たちは、
一人で見学していたら見落としていたかもしれません。
また、二階に展示してあった中国北魏時代のものとされる
耳飾りに彫刻された小さな仏像が忘れられません。

■ 大阪市立美術館
学芸員の齋藤龍一先生のお計らいにより、
中国南北朝時代や唐の石仏、金銅仏のコレクションを
真近で見学させていただきました。
以前展示室で見たことがある、もしくは、
図版や写真データで見慣れていると思っていたものでも、
さまざまな角度や違う光線の下で至近距離で見るとまったく違う姿に
見えることが面白くもあり、対象を実見し観察し続ける大切さを
改めて痛感しました。


※お世話になりました学芸員の先生方、誠にありがとうございました。

                                    

Img_1481_1
(写真:大阪市立東洋陶磁美術館にて、
出川館長、小林仁先生、白鶴美術館山中先生と記念撮影。)

                       (文、写真=因幡)

| | トラックバック (0)

2013年11月 5日 (火)

美術遺産演習がありました

去る10月12、13日、
大阪市立美術館の「北魏 石造仏教彫刻の展開 」、
泉屋博古館の「(ほとけ)の美術―ガンダーラから日本まで―」、

龍谷ミュージアム「極楽へのいざない-練り供養をめぐる美術-

の3つの展覧会に合わせ、大阪、京都にて美術遺産演習がおこなわれました。

■大阪市立美術館では学芸員の齋藤龍一先生の講演会を聴講し、
北魏仏教美術のキーワードである
「地方性」(造像に見られる地域ごとの特色)について勉強した後、
齋藤先生に色々と教えていただきながら、時間をかけて展覧会を見学しました。

天安元年(466)銘像をはじめ、北魏の都であった平城近辺で制作されたと思われる造像と、そこから遠く離れた西安附近で造られた造像との違いがよくわかりました。
北魏時代の作品がこれだけの数、一堂に会することはほとんどなく、像を比較しながら素晴らしい時間を過ごしました。夜は、齋藤先生を囲んで食事をし、様々な話をしました。

■泉屋博古館では、学芸員の外山潔先生の詳しい解説の下、金銅仏などの優品を堪能しました。太和二十二年(498)銘の如来立像はもちろんのこと、雲岡石窟の曇曜五窟と同じ時期であろうと説明を受けた京都大学人文科学研究所所蔵の立仏が素晴らしかったです。

■龍谷ミュージアムでは、”練り供養”という法会にスポットを当てた展覧会を見学しました。平安時代以降の浄土信仰の広がりの中で、絵画や彫刻に表された像を礼拝するだけでなく、阿弥陀仏の来迎を演劇化することまで始まったことが、第一に面白いと思いました。また、実際の行事に用いられる仮面や被り物として作られた仏像(着ぐるみのように目のところなどに穴が開いている)と、数多くの来迎図を同時に見ることができたため、日本の浄土信仰に繋がる造形美術の奥行きの深さを垣間見ることができたように思います。


お世話になりました外山先生、齋藤先生、本当にありがとうございました。

                                     (K)

Photo

| | トラックバック (0)

2013年2月18日 (月)

朱岩石先生による講演会が閉会しました

去る2月13日(水)に

中国社会科学院考古研究所より朱岩石先生をお招きし、

講演会「2012年度鄴佛教考古の新発展」を開催いたしました。

Img_0231_3


当日は中国河北省臨漳県における2012年の二つの大きな発見についてお話がありました。
ひとつは趙彭城北朝仏寺遺跡における建築基礎の発見、
もうひとつは北呉庄仏教造像埋蔵坑の発見です。
特に後者については、北魏時代の太和十九年(495)銘の坐仏像、 
東魏時代の元象元年(538)銘の薬師仏像などが発見されており、
他地域の造像との比較の上でも注目されます。

その他、発掘現場の様子や、仏像の石質や印象についてのお話、彩色された造像の保存の難しさなど、報告書などからでは知ることのできない豊かな情報をご教示下さいました。
あっという間の一時間半でした。


なお、2,895点の出土品の内、
金箔や彩色が施されており保存処理の難しい造像については公開まで今しばらく時間が必要とのことですが、一部の造像については既に鄴城博物館(2012年8月開館)において公開が始まっている(常設展示)そうです。
参考(中国語の頁に飛びます)
 : http://he.people.com.cn/n/2012/0816/c192235-17365357.html

発見の連続により、情報が常に更新されていく中国考古学の世界からはやはり目が離せません。
大変貴重なお話をお聞かせくださいました朱岩石先生、
またご来場下さいました皆さま、どうもありがとうございました。

| | トラックバック (0)

2012年12月 7日 (金)

美術遺産演習

11月半ばの週末を利用し、集中講義「美術遺産演習」がおこなわれました。
MIHO MUSEUM(滋賀県)、岐阜県現代陶芸美術館、岐阜県美術館と、
最終日には快山窯を見学しました。

岐阜県の二館には、現在八木ゼミの先輩方が就職しています。
美術館の特徴や、展示や作品の特色、現在の美術館を巡る様々な問題点などについてお話を伺いました。

① MIHOミュージアムでは、学芸課長の片山寛明先生のお計らいもあり、特別展の「土偶展」をじっくり見学しました。これほど多くの土偶を一堂に集め参観できる機会はほとんどなく、感動しました。入り口に置かれた紙でできた遮光器土偶のオブジェも、幻想的で素晴らしかったです。

② 岐阜県現代陶芸美術館は、セラミックパークMINOという複合施設内にある美術館で、岐阜県ゆかりの作家の作品を多く拝見しました。 認定者(人間国宝)が、そこに留まらず新たな技法を用いて、これまでと違う焼きものを造り出そうとする姿勢に感銘をうけました。

③ 岐阜県美術館は県庁からも近く、県立図書館などと隣接する美術館で、企画や展示に様々な工夫をしていることが理解できました。ちょうど今年は開館30周年ということで、この一年の取り組みなどについてお話を伺いました。

④ 快山窯  現代陶芸美術館に作品が展示されていた塚本先生の快山窯にお邪魔し、お仕事場を見学させていただきました。また塚本満先生自ら、多くの手作りの道具を用いながら、リズミカルな手さばきで大皿に牡丹を彫り出す様子を見せて下さいました。幸福な贅沢な時間でした。

お世話になりました先生方、本当にありがとうございました。

Photo_3

| | トラックバック (0)