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2015年1月

2015年1月21日 (水)

日本中国考古学会に参加しました

先月の日本中国考古学会において、因幡聡美が口頭発表に参加いたしました。

概要は下記の通りです。


「雲岡石窟における遷都前後の造像に関する一考察
                     ―第15窟・第16-1窟を中心に―」

雲岡石窟は、その造営期間が第一期から第三期に分期され研究が行われています。
その中でも第二期は470年頃から494年の洛陽遷都までの期間を指します。
今回の発表では第二期の終わりから第三期にかけての遷都前後に制作された造像を
取り上げました。第二期の終わり頃の、遷都前の時期には第5・6窟という双窟の
造営をはじめ、いくつかの窟の造営が行われていたとされています。それらの中には
初期の計画通りに工事を終えることができず未完工のままとなった窟も存在します。
遷都前の造像に関する先行研究では、第5・6窟のものがたびたび取り上げられて
きました。しかし、それと同時期の造営とされる未完成の窟については十分な検討が
行われていません。
 本研究では、遷都前後の時期において雲岡ではいかなる造像活動が行われて
いたかを明らかにすることを目標に、未完成窟における造像や、遷都前か遷都後かを
曖昧に分けられてきた箇所の造像を含めた考察を行います。今回の発表では、
その研究の一部として、遷都前後とされる造像の特徴を検討するために、未完成窟
でありながら、窟の内部に遷都前後の時期とされる造像が残る第15窟と第16-1窟の
造像に着目し、発表させていただきました。第15窟と第16-1窟の遷都前後とされる
部分の造像を見ると、両窟ともに第5・6窟にある造形が取り入れられ、それを独自に
組み合せて表わす態度で制作されていることがわかります。しかし両窟には窟壁面の
計画や、造像上には共通性は無く、制作に携わった工人が違っていたことがうかがえ
ます。このような現象は、第15窟、第16-1窟一帯における特徴であると考えられます。

 今回の発表では、第15窟、第16-1窟のみの考察となりましたが、
今後は、その他の初期計画が未完工の窟や遷都前後の造像を含め、
遷都前後の造像活動の特徴を抽出していきたいと思います。

                                (文=因幡)

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第15窟上層 
出典:水野清一・長廣敏雄『雲岡石窟』巻十一 京都大学人文科学研究所 1953年 PLATE36


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  第16-1窟
 出典: 『中国石窟 雲岡石窟二』平凡社 1990年 図版140 

                               
                   

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